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混雑する公立校の生徒を私立校へ バウチャー制度法案、消える
5/17/2010
成績が悪く、児童数が多すぎるシカゴ市内の小学校に通う子どもたちを、税金を使って私立学校に送ろうとする法案が州下院で否決され、教員労働組合の大勝利となった。
教育バウチャー制度とは、政府が父母に対して私立学校の授業料に充当できる一定額の現金引換券(バウチャー)を支給することにより、私立学校選択を支援するとともに、公立学校と私立学校との間に競争原理を働かせ、公立学校改善を促そうとする制度である。
この法案が可決されれば、シカゴ公立学校制度は全国最大のバウチャー運営システムになるはずだった。シカゴ市内に住む児童40万人のうち、3万人が現在通う小学校から転校することができるようになり、公立学校間の競争が促進されるはずだった。
シカゴ選マイケル・ミークス上院議員(民主)と郊外選出の共和党議員数名の旗印の下進められたバウチャー計画は、3月に上院を通過した。だが5日には教員労働組合が激しいロビー活動を行い、擁護派は法案を取り下げざるを得なかった。
擁護派のケビン・ジョイス下院議員(民主)は、年金や労組の利益よりも市民のことを考えるよう訴えたが、必要な得票数60のうち、48票しか集めることができなかった。法案では、児童は2011年の秋から約3,700ドルのバウチャー券を受け取って私立や教会付属の学校へ転校できることになっていた。
ジョイス議員は組合の激しい反対がなければ法案は通過していたと言う。最終的な結果は共和党が26票、民主党が22票で、自党の票数が期待したよりも少なかったとジョイス議員は述べた。
パラタイン選出のスザンヌ・バッシ議員(共和)は討議の最中で涙ながらに「成績が落ちる都市部の子どもたちがいるのに、法案を支持する心を胸の中で探って欲しい」と議員たちに訴えた。
シカゴのアート・ターナー議員は熱烈なスピーチで法案反対を説いた。現在の教育制度を激しく批判し、子どもたちの家庭生活と都市の学校制度に対する改革が必要だと述べ、教育委員会にきちんと仕事をするよう訴えた。ターナー議員の地区にも最低とされる小学校が10校ある。教員労働組合は少数の生徒だけでなく全部の生徒の役に立つよう、議会が所得税引き上げについて審議すべきだと主張し、バウチャー制度は公立学校の教員が仕事を失うことにつながると訴えた。
ノースブルックのレイン・ネクリッツ議員(民主)はイリノイ教育協会、イリノイ教員連盟、シカゴ教員労働組合の主張を繰り返した。公共の資金を特定の団体のために使用することに触れ、法案が憲法違反と見なされる可能性もあると指摘した。
だが、ウェスタン・スプリングズのジム・ダーキン議員(共和)は2002年の最高裁の判決を持ち出し、クリーブランドでバウチャー制度が支持されたことを例に出した。ダーキン議員は「児童にましな生活をさせる可能性を持った法案に反対する賭けには出られない」と主張した。
イリノイ教育協会の広報は、バウチャー制度では数百万ドルが私立学校へ流れることになり、現在の経済危機にあっては「許し難い」と主張した。
だが、ジョイス議員を始めとする擁護派は、シカゴの公立学校では子ども一人当たり11,500ドルが様々な供給源から出ており、州予算から出るバウチャー券の3,700ドルはごく一部だと反論する。地方自治体の財産税などは私立学校には流れない。
協力 : シカゴ新報
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