ミニ情報



米国市場で始まる“エコカー戦争”
12/24/2009

 2009年の経済は各国とも未曾有の世界不況からの復興に奔走させられた。来年はどうなるのか?2010年の景気動をバーナンキFRB議長は9日の例会で“経済は緩やかながら回復基調を見せてはいるものの依然、向かい風に立ち向かっている”と慎重な見方を替えない。やはり、アメリカの真の復興は、まず伝統基幹産業である自動車業界の立ち直りにかける期待は大きい。

 アメリカ自動車業界は年間販売台数で、今年、中国に抜かれて1位の座を譲るが、依然、1千万台以上の成熟した巨大市場であることは疑う余地は無い。そして、世界の温室化ガス削減のコンセンサスが高まる中、化石燃料を敬遠し、“エコカー”(環境対応車)への買い替え需要が追い風となっており、市場は久々に明るさが見え出した。

 当然、この米国市場の動きを感知し、各国の競合各社も販売計画を前倒して2010年中を目指し新エコカーを投入してくる。本格的な“エコカー販売競争”の幕が切って落とされる。同時に、今後のエコカーの方向性を消費者が決まめる試金石ともなる。2010年にデビュー予定の車種は、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、そして電気自動車等であり、その後、燃料自動車の発表が控えている。

 エネルギー情報局(EIA)のレポートによると2006年の記録ではエコカーは米国では54,000台であった。オバマ大統領は、エコカー開発促進のため2.4BLドルを助成し、米国内生産を2015年までに100万台に引き上げる計画を打ち出している。それとは別に、自動車用電池の日本の最大大手、ビーグル・エナジー社は、「エコ・カーは全世界で2010年に150万台に達する」という予測を出している。 

 エコ・カーの開発は自動車産業の構造全体に変革をもたらす、といわれる。これまでの自動車業界は大手数社の元に各下請け部品メーカーがサポートする、いわゆる、ピラミッド構造で支えられてきたが、これがエコカーの新規ベンチャー企業の台頭でその構造が崩れる可能性がある、いうのである。「産業革命に匹敵する大革命が起きる」と連邦エネルギー規制委員長、ジョン・ウエリンホフ氏は警告する。その原因は、普通車を生産するに要する部品は3万個余といわれるが、電気自動車の構造はシンプルで使用部品は1万個余で足りる作り易さにある。基本的に電池、モーターとインバーターがあれば走り、しかも、基本動力は電気を使うのでコンピューターのようにIT基盤をベースに設計が可能であり、IT技術者、ロボット開発者などの工学技術であれば参入可能なのである。

 その例では、カルフォルニアに本社を置く電気自動車ベンチャーのテスラ・モーター社(Tesla Motors)がある。現在、市販しているのは小型スポーツカータイプで一台約1,000万円と高いが、既に1,000台を販売。今は、安価(500万円)な4ドアセダンを開発中。この会社はIT企業大手“グーグル社”の資本融資を元に、米国政府からも500億円にも及ぶ低金利融資を受けている。もう一社、アプテラ社(Aptera Motors)は宇宙船を思わせるような斬新なデザインの三輪車型を来年10月に発売予定。予約受注が既に4,000台を超えたという。その他にも、ロナエル社(Ronaele )、コミューター・カー社(Commuter Cars)、フィニックス・モーター社(Phoenix Motorcars)そしてマイルス電気自動車(Miles Electric Vehicles)等のベンチャー企業が新車発表のチャンスを伺っている。

                                       2009年12月13日
                                         佐々木 輝夫 




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